2020年1月23日木曜日

茨城空港 東京駅への500円バスを中止

茨城県知事の定例記者会見が行われ、年間80万人が利用する茨城空港について、今後の利用拡大策への質問が出ました。
この中で知事はすでに報じられているように自衛隊の共用空港として発着枠に空きがなくなっている点や燃料の供給体制が限界に達している点が問題となっていることを改めて指摘。この2点が解決できなければ今後の増便は難しいと述べています。

一方、県の施策としては茨城県内の周遊観光への交通手段の整備を挙げ、予算を重点的に使う方針であるとしています。
現状水戸駅もしくは石岡駅以外への公共交通のアクセス手段がほぼないという状況が改善されれば利用者にとって恩恵が大きいです。昨年10月からは水戸・つくば間の高速バスを大幅に増便する実証実験が行われており、こうした取り組みで茨城空港利用者の県内周遊を図るのではないかと思われます。

反面、この施策の実現のため来年度からは茨城空港のウリのひとつであった東京駅への500円バスの補助を取り止めると発表。海外からの利用者にとって魅力のある格安バスでしたが、訪日客が直接東京へ行ってしまうため、茨城県にとって望ましいものではなく、知事は「県民からの税金を使って東京に観光する人たちに補助をするということ自体問題がある」と断言。「予算の全てを県内の観光に向くような形に切り替える」としています。利用者が減るのではという懸念に対しても、成田空港から東京都心にかかる時間とほとんど変わりがないことから、「通常の料金(1530円)に戻ったとしても、競争力が大きく損なわれるということはない」との見方を示しています。
これについてはやってみないと判らないものの、中国からの航空便が着いた直後のバスの盛況ぶりを見るに少なからず影響は出そうな気はします。限られた予算を県内のために使いたいというのは正論ですが、それで訪日客が茨城県内を観光するかというとそれはないと思います。それならばツアー商品に県内観光を組み込んでもらう方が確実でしょうし、個人旅行者で茨城に用がない人にとってはわざわざ成田空港を避けて、茨城空港を利用するメリットは今後皆無になってしまう気がします。ただ、県内の交通状況が悪いのは事実ですので茨城県民や茨城へ観光に来る国内旅行者には利点がある施策なので、今後の利用者の推移を見てみないと評価は難しいと思います。
茨城空港のアクセス改善には期待したいところ

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