2013年9月19日木曜日

米子便 12月20日から運航開始

スカイマーク社が米子空港への新規就航を発表しました。かねてから山陰地方への就航を検討していたスカイマーク社。今回の米子空港進出は待望の新路線となります。
就航先は成田、神戸、そして茨城との事。成田空港については予想の範囲内なのですが、神戸空港と茨城空港についてはどのような需要があるのか判らない面もあります。
運航開始は12月20日からで、成田とは1日2往復、神戸も1日2往復。茨城は神戸空港経由で1日1往復となります。具体的な運賃、時間は未定です。
懸念される他路線への影響ですが、同じ神戸経由便の那覇便は茨城新聞によると継続される見通し。新千歳便は不明ですが、現行通りとなれば単純に神戸便1往復分が米子へ結ばれることになりそうです。

米子空港については、現状全日空の羽田便が国内線唯一の路線で1日6往復しています。運賃は1万円程度から3万円ほど。所要時間は1時間20分。
スカイマークの現在の運航を見ると、茨城−神戸間が同じくらい時間がかかっており、経由にかかる時間40分も考えると羽田便の倍は時間がかかりそうです。運賃も最安1万1800円ほどと苦しく、普通運賃では大幅に安くなる可能性があるものの、競争力があるようには見えません。
スカイマークとしては北関東と山陰の観光地を結ぶ需要に期待しているようですが、県は神戸便の搭乗率向上につながればと現実的なコメント。時間帯も現行通りであれば、米子空港を朝出発、夜到着となるので、北関東からの需要が見込めるかは厳しい気がします。

2013年9月11日水曜日

五輪特需も茨城空港は蚊帳の外?

2020年の五輪開催地が東京に決まったことで、早くも建設特需に期待する声があがっているようです。財政が危機的状況を迎えている中で、果たしてどの程度の整備が行われるのかわかりませんが、すでに飽和状態に近い首都圏の航空需要も格段の増加が見込まれることから、羽田空港、成田空港とも発着枠を増やせるよう検討がされるようです。
また、両空港を結ぶ直通鉄道の開設もうわさされています。一説では現在55分程度かかる両空港のアクセス時間を35分程度にすることができるとも言われ、国際・国内線の乗り継ぎが便利になる可能性があります。

こうした話題の中で蚊帳の外に置かれているのが茨城空港。
茨城県やつくば市のほか東京都も出資する首都圏新都市鉄道のつくばエクスプレス。土浦・水戸方面への延伸についてはかねてより要望する声もあるのですが、まったく見向きもされていません。水戸方面へ延伸となれば、当然茨城空港もルート上として候補に上がり、現状の高速バスを利用した所要時間が大幅に短縮(東京駅-茨城空港間1時間も可能?)。首都圏での利便性が格段に増し、首都圏への参入が難しい中小・新興航空会社の就航も見込めるのですが、政府には大手航空会社向けの羽田・成田のことしか頭にないようです。
羽田・成田の発着枠拡大についても、直通鉄道建設についても、相当以前から構想はありながら実現できなかったものをこの先6年ほどで実現できるくらいなら、なぜ今までやらなかったのでしょうか? 五輪開催をお題目にしてあれもこれもと、今まで財政や政治、周辺自治体の事情などから先送りしてきた課題を一気に片付けようと、無理やり行うことには疑問があります。当然、TXの茨城空港乗り入れもこの機に乗じて行おうとすることには反対ですが、それならば羽田や成田だけ整備すればいいのかというとそれもどうかと思います。
近隣住民の反対も考えれば、成田空港は特に発着枠を大幅に拡大するのは問題があります。実情を鑑みて、どの程度これから発着枠が足りなくなるのか、その需要を羽田空港だけでまかなえるのか、他の空港(中部や関西など)にも振り分けが必要なのか、その対象に茨城空港が当てはまるのか。需要予想をしてどこに優先的に費用を使うのか提示してもらいたいです。

本来、コンパクトでお金のかからない五輪を目指していたはずなのに、いざ開催が決まるとお金を使うことばかりで将来的見地のない話しばかりでは困ります。首都高の老朽化対策、環状線の整備も以前からの課題だったはずで、五輪があるからやろうという話しではないはずです。
成熟した都市の再構築は新たに都市を建設するより莫大な金額がかかるわけですし、東京への投資一極集中はもし直下型地震が来たときには目も当てられない惨事になります。本当であれば首都移転や副首都構想なども視野にいれて、より金銭的負担のかからない、重大災害にも対応可能な国家・首都建設を考えるべきだったのでしょうが、いまとなっては仕方ありません。
今あるインフラを最大限活用し、将来どう活かしていけるのかを考えなければいけないと思います。そのために費用対効果で優れている選択はなんなのか、いろいろな案を出して検討して欲しいです。その中で、茨城空港は周辺地価が安く、かかる費用が相対的に少ない割りに、整備さえすればセカンダリー空港として競争力もあり、将来性十分な空港であると思えるのですが、政府の方々にとっては検討にすら値しない案なのでしょうか。

茨城空港 8月の国内線搭乗実績

スカイマーク社より8月の搭乗実績が公表されました。
全社としては前年より搭乗率が回復し、80.2%となりました。提供座席数も増加したことで、単月の搭乗者数では初の70万人を突破しています。
路線別では羽田空港が全体的に伸び悩んだ感じで、成田空港は数字は良かったものの、前年に比べると落ち込みが激しくなっています。一方、神戸空港は回復傾向が顕著です。特に新千歳便は90%を超える搭乗率でほぼ満席となっていました。
ほかでは福岡空港、中部空港が堅調な数字で、那覇-宮古路線も伸びました。

茨城空港関連では新千歳便が1日1往復の運航、新千歳に夜着き朝発つという不便な時間帯だったにもかかわらず、搭乗率85.2%と運航初年度とほぼ同数の数字を集める大健闘。1往復のため、搭乗者数は前年比7154人減(43.3%減)の9351人となりましたが、予想を上回る利用者だったと思います。
那覇便は搭乗率が80%を超える80.1%とこちらもすばらしい数字。前年比2258人増(34.6%増)の8791人で、スカイマーク社の思惑通りに集客できたようです。
好調の2路線に対して、それを上回る結果を残したのが神戸便でした。搭乗率は75.3%と前年から大幅に増加。前年比2966人増(21.9%増)の1万6531人と、就航以来最高の搭乗者数を記録。比較的安定した利用者を集めてきた神戸便ですが、ここにきて4ヶ月連続して月別搭乗者数の記録を更新しています。
結果、茨城空港の国内線搭乗者数は3万4673人と、新千歳便が1往復減ったため前年の3万6603人には及ばなかったものの非常に高い効率で運用ができた月になりました。