2022年8月4日木曜日

茨城交通 路線バスでVisaタッチ&QRコード決済導入

茨城県央、県北地域が地盤のバス会社茨城交通が23年12月に路線バスにおけるVisaのタッチ決済とQRコード決済の導入を発表しました。茨城交通は国内のバス路線で初めてVisaのタッチ決済を導入したことで知られています。
2023年12月ごろ いばっピに加えてVisaのタッチ決済も利用可能に。

茨城交通では現状、交通系ICカードの相互利用に参加しておらず、日立電鉄バスとの統合後も独自のICカードいばっピと、でんてつハイカードの2つのカードが並存して相互利用できないなど不便が生じていました。今回の新システム導入にあわせて同社のICカードもいばっピに統一し、地域内に居住する方には常時10%以上割引運賃が適用されるいばっピを、海外や県外の利用者にはタッチ決済やQRコード決済を利用してもらえるようになります。
タッチ決済で利用できるカードはVisaのタッチ決済対応のクレジットカード、デビットカード、プリペイドカードで、QRコード決済はPayPay、メルペイ、LINEPay、d払い、auPAYを予定。同社の高速バスで利用可能な楽天Payは現時点で対象に入っていません。
なお、Visaのタッチ決済を利用した場合には利用実績に応じた割引運賃適用も検討中とのことです。

新システム導入で普段同社を利用しない人にとって利用しやすくなるのは間違いありません。ただ、同社を含むみちのりグループでは足並みがそろっていません。栃木県の関東自動車、岩手県の岩手県北自動車はそれぞれ、Suicaの地域連携ICカードを導入。PASMOなどの公共交通ICカードも利用できるもののVisaのタッチ決済やQRコード決済はできません。福島交通では独自ICカードのみ使用可能となっています。残念ながら茨城交通ではこれらのICカードは2023年以降も利用することができません。また、関東鉄道が導入しているPASMOも利用できないため県内のバスは運行会社によって決済方法を変える必要があります。
日立電鉄との統合時には交通系ICカードの片利用もしくは相互利用についても検討しているとの報道がありましたが、今回は見送りとなり、より広範な利用が見込めるVisaのタッチ決済を選択したことになります。
タッチ決済の交通機関での利用はみちのりホールディングス以外では南海電鉄や西日本鉄道、JR西日本で実証実験が行なわれ、沖縄県の観光路線バスで導入されるなど広がりを見せています(日経クロストレンド記事)。今回の茨城交通の路線バスでの大規模な採用で利用者の増加が検証されれば導入企業が増え、各地域でバラバラな交通系ICカードを中心とした日本の公共交通の決済方法が大きく変わるきっかけになるかもしれません。

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